デザイアと呼ばれた男 VOL 23
こんにちは。D・二プルです。
ご無沙汰してます。今日は私の誕生日なので久しぶりにここにやってきました。
「デザイアと呼ばれた男」の続きをどうぞ!!!
5
けたたましいサイレンが鳴り響き、5台のパトカーと少し間をおいて1台の救急車が「ワールド」の前に集結した。
パトカーの中から十数人の警察官と救急車から二人の救急隊員が騒々しく「ワールド」の階段を駆け上がって行った。
それまで静かだった周囲が急に騒がしくなり、いつのまにか野次馬の群れも集まっていた。
俺は道を挟んだ「ワールド」の向かいの自動販売機の前で手首の拘束具を外し、優々とタバコを吹かし、そのにぎやかな夜の騒動を見物していた。
いつもの〝デザイア〟の全身黒の衣装は天井裏を這いずり回ったせいでホコリまみれに汚れてしまったので天井裏に置いてきた。
それにあの格好で近くをうろうろしていたらたちまち鬼頭たちに見つかって囲まれてしまうだろう。
今の俺はヤンキースのキャップをななめにかぶり、ナイキの黒のTシャツにダボダボのジーパン姿で、サングラスとシルバーアクセをジャラジャラ着けたB系ファッションに身を包んでいた。
國無が郵便受けに入れておいてくれた新アイテム〝デザイア七変化セット〟がさっそく役に立った。
これは七枚のビニール袋の中に小さくたたまれた服がそれぞれ入っていて、まったく違った服装、メガネ、帽子、カツラ、アクセサリーなどの小物からその格好に合わせた武器までコンパクトに収納されていた。
このアイテムのおかげで俺はどこにいても別人になることができた。
俺はタバコを吹かしながら体を休めていたが、頭の中はごちゃごちゃにパニクっていた。
ユカの死、重傷を負った小原、そして、初めての殺人……今日は何て一日だ。
それに國無が言っていた、さらわれたマユミの行方が気になっていた。
俺は携帯を取り出し、國無に電話した。
しかし、電話は繋がらなかった。
恐らく、國無もこっちに移動中なのかもしれない。
とにかく今はマユミを見つけ出し、無事に助け出さなければならなかった。
俺は変装しているが、奴らの顔は写真でワレている。
一人一人見つけ出し、マユミの居所を吐かせるか。
目の前の「ワールド」は既に警察の手によって封鎖されていた。
鬼頭たちもうかつには近づかないだろう。
それでも奴らが必死に〝デザイア〟を捜していることは間違いない。
その時、俺は少し離れた246沿いの角に立っている一人のサラリーマン風の男に気が付いた。
サラリーマン風の男は携帯で誰かと話しをしている。
俺は國無の資料の中の写真とサラリーマン風も男を見比べてみた。
間違いない。
奴は鬼頭の仲間のエナリ カズオだ。
エナリは電話で話しながら慌てて246沿いを走って行った。
俺は辺りを警戒しながらエナリの後をつけた。
周りに他の仲間の姿は見えない。
だが、油断はできない。
奴らは必ず近くにいるはずだ。
エナリは携帯を耳に当てたまま早足で246沿いを直進している。
俺はエナリの20メートル後ろにぴったりと張り付き、尾行を続けた。
それにしてもエナリは誰と話しているんだろうか?
鬼頭から何か指示されているのかもしれない。
尾行を続けているとエナリは246沿いからわき道に曲がり、世田谷公園を通り抜け、廃屋団地の方向に向かっていた。
エナリは一体どこへ行こうとしているんだ?
エナリは俺の尾行に気づかずにそのまま廃屋団地の中に入って行った。
どうなってるんだ?
俺は急いで廃屋団地の敷地内に入り、建物の角を曲がって姿を消したエナリの後を追った。
角を曲がり、俺はギョッとなった。
俺の目の前にエナリがこちらを向いて立ち止まっていたのだ。
「お前がデザイアか?モンタージュとだいぶ違うな。さっきの電話で言ってた通りだ。誰だか知らないが助かったぜ。お前の首は俺がもらった」
「……」
どういうことだ?
エナリは俺を待ち構えていた。
俺が尾行していることを知っていたというのか?
それにエナリが電話で話していたのは一体誰なんだ?
「……おい、何でここを選んだんだ?鬼頭の指示か?」
「いいや、鬼頭じゃない。誰だか知らないが匿名で俺の電話に掛かってきたんだ。〝デザイア〟の居所を知ってるってな。そいつがここに来るように言ったんだ。そいつが突然〝デザイア〟はお前の後ろにいるって言って電話を切った時はいたずらかとも思ったが信じてよかったぜ。お前、俺たち以外にも敵がいるみたいだな」
「……」
エナリはジッと突っ立ったまま俺に近づいてこなかった。
警戒しているのか、それとも何か他に狙いがあるのか?
「おい、女をどうした?」
「女?ビデオ屋で自殺した女か?あの女を犯ったのはジャックだぜ。あとシローも何かしてたな。俺は女には手を出してないぜ」
エナリが言っているのはユカの事だとすぐに分かった。
ユカはレイプされ自殺したのか。
俺は再び心の中でやるせなさが膨張を始めた。
「俺が殺ったのはロン毛の色黒の男だ。初めはあのおっさんが〝デザイア〟だと思ったんだが、とんだ見掛け倒しだったな」
何だと……エナリが言っているのはミシマさんのことか?
こいつ、ミシマさんを襲ったっていうのか?
「……おい、そのロン毛の男はどうした?」
「もちろん、殺してきたぞ。あまりにもがっかりしてな。さっきまであいつの返り血がべったり付いてたんだが、雨でだいぶ落ちたようだな。あいつの死体は当分出てこないぜ」
「……」
辺りはとても静かだった。
近所の住民は夜はこの辺りには近づかない。
世田谷公園同様、痴漢や変質者が出没するのもこの辺りが多かったからだ。
「ワールド」の前に居た時、俺はどうやってこいつらを倒していこうか考えていた。
あの辺りは夜でも人通りが多いし、路地裏にでも連れ込むしかないと思っていた。
それに俺自身の手で警察を呼んでしまったことで、「ワールド」周辺で鬼頭たちと激突するのは得策ではなくなってしまった。
しかし、ここなら思いっきりやれる。
「そうか、これでおあいこだな。俺もさっきお前たちの仲間の一人を殺してきたばかりなんだ」
「!!!」
エナリが俺の言葉に反応した次の瞬間、俺はエナリに向かって突進していた。
俺は指全部にはめたシルバーのゴツイ指輪付きの拳を握り締め、エナリの顔面を殴りつけた。
拳はエナリの右頬に命中し、ミシリという音を立てて、エナリの歯を数本砕き散った。
口から血を流し、ふらついているエナリに俺はボディーブローを叩き込み、下がった顎に膝蹴りを喰らわせ、さらに股間を思いっきり蹴り上げた。
それでもエナリが倒れなかった事に俺は驚きを隠せなかった。
正直、俺は殺す気でエナリを攻撃した。
それでもエナリはダウンすらしなかった。
俺はいつか國無が言っていたことを思い出した。
「人間、殺す気で他人を殴ったとしても潜在能力の70%ぐらいしか出すことができない。それは自己防衛本能が働き、自分の肉体を傷つけない為だ。相手を本気で殺したい時は格闘技をしていては駄目だ。もっと違った目線で急所を確実に攻める。本来急所とはどんな男でも鍛えようのない場所なんだ。まあ、主に体の中心だな。眉間、鼻、顎、喉、みぞおち、股間、ここを確実に攻めるのが望ましい」
俺が考え事をしていた一瞬の隙をエナリは見逃さなかった。
エナリは攻撃を受けた直後とは思えないようなスピードで一瞬で俺の背後に回りこみ、チョークスリーパーをかけ首を絞め始めた。
「……」
「いきなりいい攻撃だったぞ。さすが〝デザイア〟だ。さっきのロン毛よりもいい攻めをしてくれる。だが、これが限界か?ロン毛は俺の一回の返しで沈んじまったぞ。お前もこのまま俺に絞め殺されちまえばあいつと同じレベル……」
その瞬間、俺は俺の首を絞めているエナリの右腕の小指の骨を折った。
一瞬、エナリの腕の力が緩まった隙に俺はチョークスリーパーから脱出した。
そして、俺はエナリの左足の膝の下に強烈な前蹴りを喰らわせ、足の骨を折った。
エナリはバランスを崩し、地面に膝を着いた。
俺はエナリの背後に回り、着けていたシルバーのネックレスを吹き契り、エナリの首に巻きつけた。
エナリは悶えながら股間を大きく膨らませていたが、俺がネックレスで絞める力をさらに強めるとエナリはそのまま絶頂し、股間の周りが湿り始めた。
そして、エナリは口から泡を吹き、息絶えた。
俺は今日二人目の殺人を行った。
いくら感情的になっていても、人を殺す瞬間は手に嫌な感じが伝わってくるものだ。
イブを射殺した時はそれが銃だった為にそれほど実感はなかったが、今回はネックレスで絞め殺した時の感触がもろに腕から伝わってきた。
やはり人を殺すのは嫌なものだ。
その時、俺は背後に人の気配を感じ振り返った。
「おい、あそこに倒れてんのエナリじゃないか?」
「本当だ……ってことはあいつが〝デザイア〟か?電話で言ってた通りだっだね兄ちゃん」
そこには見るからに双子だと分かるほどそっくりの二人の男が立っていた。
こいつらも写真にあった鬼頭の仲間だ。
どうなってるんだ?
次々と集まってきやがる。
一体鬼頭の仲間に俺の居所をリークしているのは誰なんだ?
6
廃屋団地の一室では國無がワインを飲みながらメイン画面を見つめていた。
メイン画面には下の裏庭に佇んでいる〝デザイア〟と〝獣姦兄弟〟タツオとタツヒコが睨み合っていた。
三人の欲望が今にも激しくぶつかろうとしていた。
國無はふとメインモニターからサブモニターに視線を逸らせた。
一つのサブモニターの中では「ワールド」周辺をうろうろしている鬼頭の姿があった。
國無は画面を見つめたままダンボールいっぱいに詰まった携帯電話の中から一台を取り出すと電話を掛け始めた。
サブモニターに映っている鬼頭が自分の携帯を取りだし、電話に出た。
「おい、まだそんな所を捜してるのか?〝デザイア〟はもうとっくに別の場所に移動してるぜ」
「……また、お前か。一体、お前の狙いは何なんだ?まあ、いい。奴は今どこにいるんだ?」
「〝デザイア〟は今、お前の仲間を一人殺して、次の獲物を狙ってるぜ」
「……俺の仲間を殺しただと?ふざけたこと言ってるんじゃねえぞ?」
「だから、お前らはバカだっていうんだ。自分達が特別だとでも思っているのか?お前らだって一人の人間だ。そして、お前らが捜している〝デザイア〟はお前ら以上に凶悪な犯罪者なんだぜ。その証拠を見せようか?お前が今いる場所からすぐ246に出て2つ目の路地を右に曲がって、またすぐ3つ目の路地を左に曲がってみな。お前の仲間の一人が殺られてるぜ」
そう言って國無は携帯を切るとダンボールの中には戻さず、自分の手が届くテーブルの隅に置いた。
鬼頭は謎の電話の男の言う通りに、246に出て、2つ目の路地を右の曲がり、3つ目の路地を左に曲がってみた。
すると路地の奥に転がっていたのは、すっかりと変わり果てたイブの姿だった。
イブは頭を撃ちぬかれ抜け殻のように小さくなっていた。
イブの死体を見て立ち尽くしている鬼頭の元に再び國無からの電話が入った。
「どうだ?これで分かっただろ?狙われてるのはお前たちの方なんだよ」
「……」
「何だ、黙んまりか?そんなお前に逆転のサヨナラのチャンスをやろうか?今から言う場所に行ってみな。お前を救ってくれる勝利の女神が待ってるぜ。いいか、場所は……」
「待てよ。お前の目的は一体何なんだよ。俺たちを追い詰めようとしてるんじゃないのか?なぜ、俺に味方するようなことを言う?」
「……俺の目的はそんなに単純じゃないのさ。別にお前らを潰すことが目的でもないし、俺はデザイアの味方でもないんだぜ。俺の言葉を信じないのは勝手だが、お前が〝デザイア〟に勝つにはもう手段は選んでいられないんじゃないのか?」
そう言うと國無は静かに電話を切った。
切れた電話を耳に当てたまま、鬼頭はその場を動かなかった。
鬼頭はもう一度目の前のイブの死体に視線を合わせた。
鬼頭は殺し合いにおいてイブに絶対の信用を持っていた。
癖あるメンバーの中でもイブは屈折した性癖を持たず、人を殺すことに対して何のためらいも持たない男だった。
そのイブが、数分前までは生きていたイブが、今は変わり果てた死体として薄暗い路地裏にゴミのように転がっている。
鬼頭は妙な胸騒ぎがした。
「ワールド」の従業員にとって今日が最悪の一日であったように、俺たちにとっても今日が最悪の一日になるような気がした。
鬼頭は謎の犯罪者〝デザイア〟に恐怖を感じていた。
もしかしたら敵は想像以上に巨大なものなのかもしれない。
鬼頭は得体の知れない〝何か〟を〝デザイア〟に感じていた。
電話の男が言うように、もうなりふりかまっていられない所までいつの間にか追い詰められているのではないか。
電話の男の言うことを信じるわけではない。
だが、勝利の女神を手にしておいても損はないはずだ。
例えそれが、疫病神だとしても、その時はその時だ。
鬼頭は決意したように國無が指定した場所に向かって歩き出した。
サブモニターで鬼頭の様子を見ていた國無は思わずほくそ笑んだ。
言葉巧みに人を駒のように動かすのは実に快感だ。
國無はノートパソコン上の自分が書いたシナリオに眼を向けた。
いまだに誰一人として気づいていないが、全て自分の作り上げたシナリオの通りに動いている。
この物語の登場人物たちは皆、自分の欲望に忠実に動いていると思い込んでいる。
その先に待ち受けているのが〝絶望〟だということも知らずに……。
國無は金魚が泳ぐ水槽の中に鬼頭と話した携帯を投げ入れた。
水槽の中にはすでに8つの携帯が沈んでいた。
國無は再びメイン画面の〝デザイア〟に目を向けた。
廃屋団地の裏庭ではB系ファッションの〝デザイア〟が地べたで泥だらけになりながらのた打ち回りもがき苦しんでいた。
その様子をタツオとタツヒコがニタニタしながら見下ろしていた。
國無が鬼頭と電話でやり取りをしていた数分間に事態は展開していた。
睨み合う硬直状態の中、初めに動いたのはタツヒコだった。
タツヒコは〝デザイア〟に向かって直進していき大振りのパンチを繰り出した。
しかし、〝デザイア〟は難なくタツヒコのパンチをかわし、逆に強烈なボディーブローを叩き込んだ。
タツヒコは目に涙を浮かべ、口から胃液を垂らしながら地面に倒れこんだ。
しかし次の瞬間、タツヒコは倒れざまに〝デザイア〟の足首を掴んだ。
そして、息をも切らさぬ間にタツオが〝デザイア〟の後ろに回り込み、羽交い絞めにした。
そして、タツオは〝デザイア〟の口の中にあるものを放り込んだ。
二人は息をぴったりと合わせ、タツオは首を、タツヒコは足首を掴んだまま思いっきり引っ張り、〝デザイア〟を地面に叩きつけた。
その拍子に〝デザイア〟は口の中に入ったモノを飲み込んでしまった。
そして数秒後、〝デザイア〟は発狂するように苦しみ始めた。
タツオとタツヒコが〝デザイア〟に飲ませたのはネットで密輸したある違法の害虫だった。
その蟲は古代中国で拷問に使われていたもので、その蟲に刺されると幻覚を見たり、過去のおぞましい記憶を思い出したりして、精神に害をもたらす有害指定昆虫だった。
その蟲を二人は〝デザイア〟に飲ませたのだ。
これはまだ誰にも試したことのない試みだった。
刺されただけでも恐ろしい効果が現れる害虫を体内に入れたのだ。ただで済むはずがない。
その証拠に目の前の〝デザイア〟は発狂しながら地面を這いずり回っている。
タツオは〝デザイア〟のサングラスを外し、その素顔を拝みたいと思っていた。
しかし、それでもまだタツオは〝デザイア〟を警戒していた。
この男は土壇場で何かをやらかすような胸騒ぎがタツオを動かさなかった。
遠のく意識の中で、俺は夢を見ていた。
目の前には懐かしい光景が広がっていた。
そこは昔俺が通っていた中学の屋上だった。
その日はぽかぽかといい天気だった。
吹奏楽部の練習する演奏が音楽室から微かに聞こえていた。
屋上には俺以外誰の姿も無かった。
俺は誰もいない屋上の片隅でエロ本を傍らにマスをかいていた。
エロ本には人気の女優が足を大胆に広げ、陰毛をたっぷり茂らせたヴァギナを公開していた。
俺はその女優の体を見ながら大好きなクラスメート トモコを頭の中で思い描いていた。
トモコは当時俺が片想いしていた女だった。
成績優秀でスポーツ万能で、誰からも好かれ、サッカー部の部長と付き合っていた。
トモコは俺には高嶺の花で憧れの存在だった。
今の俺にできることはせいぜいトモコの妄想に明け暮れオナニーすることぐらいだった。
俺はペニスを激しくシゴキ、エロ本の上にたっぷりと真っ白な精子を放出した。
俺はペニスを出したままその場に大の字に仰向けに寝転んだ。
俺が射精後のひと時を堪能していた時、微かな物音と人の気配に俺は気づき、思わず起き上がり振り返った。
次の瞬間、俺は凍りついた。
目の前にトモコが信じられないというような表情で立ち尽くしていたのだった。
俺が思わず立ち上がろうとした時、トモコは顔を真っ赤にして屋上から立ち去ってしまった。
一人屋上に取り残された俺は空しさと恥ずかしさに苛まれていた。
その後、俺は何度かトモコの誤解を解こうと試みたが、勇気が出せず一度も話さないまま卒業してしまった。
トモコとはそれっきり会っていなかった。
それは俺の心の中でトラウマとなって今まで眠っていたおぞましい記憶だった。
次の瞬間、俺は見知らぬ女を激しくレイプしていた。
俺が女をレイプしている下には数え切れないほどの女たちが裸体で寝そべっていた。
その女たちは全員俺が犯した女たちで、俺は無制限で女を犯し続けていた。
俺の体は汗や精子が混ざり合った体液でベットリとし、異臭を放っていた。
俺のペニスは擦り切れ、真っ赤に染まっていた。
それでも俺は女を犯すことを止めなかった。
いや、止めることができなかった。
一人の女が終わると、また別の女が現れ、俺は犯し続けた。
ついに俺のペニスは破裂するように粉々に砕け散ってしまった。
俺は自分の血とペニスの肉片をかぶりながら、それでも腰を動かし続けていた。
すでにそれは快楽を通り越し、苦痛へと変わっていた。
発情したウサギのオスは自分のペニスが擦り切れても交尾を続けるという話をどこかで聞いたことがある。
今の俺はまさにオスウサギ同然の鬼畜だった。
俺の脳裏に現れるのは中学二年の夏にオナニーを見られたトモコのことだった。
あの時のトラウマが今でも俺を支配していた。
俺はその忌まわしい過去を心の中に封印し、忘れようとしていた。
あれがきっかけで俺は女とまともにセックスができなくなってしまったのだ。
しかし、俺は再びその記憶を思い出し死にたくなった。
俺の未来には真っ暗な闇しかなかった。
その時、闇の中を一筋の光が照らした。
そして俺の前にマユミが現れた。
マユミは何も言わずにただ微笑んでいた。
俺がマユミに手を伸ばすと、マユミは俺の握り、やさしく微笑みかけた。
「いいの、あなたはそのままでいいのよ」
その瞬間、俺は救われたような気がした。
マユミの一言で俺は死ぬのを止めた。
そして、闇の中を照らす一筋の光に導かれるままに俺は歩み続けた。
あんなに苦しんでいた〝デザイア〟がついに動かなくなった。
あまりの苦痛のあまり息絶えたのか?
タツオとタツヒコはゆっくりと〝デザイア〟に近づいた。
ついに〝デザイア〟を倒した。
これで仲間たちに威張り散らすことができる。
鬼頭にも一目おかれるだろう。
タツオはこの場で〝デザイア〟のサングラスを外そうと思った。
タツオがサングラスに触れようとした時、突然、〝デザイア〟が立ち上がり、瞬時に二人を殴り倒した。
〝デザイア〟は口をモゴモゴさせ、何かを吐き出した。
土の上に吐き出されたそれはタツオが飲ませたおぞましい害虫の死骸だった。
〝デザイアは〟変な呼吸を繰り返したまま倒れた二人に襲い掛かってきた。
〝デザイア〟は急所だけを狙い、確実に二人を殺そうとしていた。
その攻撃はまさに野生の獣のようで、タツオとタツヒコは二人がかりでも手も足もでなかた。
散々、二人を殴り、蹴り、暴れまわった挙句、〝デザイア〟はギンギンに膨れ上がったペニスを抜き、タツオのアヌスに突っ込み、犯し始めた。
タツオは必死に抵抗したが、〝デザイア〟は止まらなかった。
タツヒコはその様子を見て動くことができなかった。
今まで様々な悪事を働いてきた二人だったが、男に犯されたことはなかった。
しかも目の前にいる男はまるで鬼のようで、とても人間とは思えなかった。
ついにタツオは泡を吹き、白目をむいて意識を失った。
そして、ペニスをタツオのアヌスから抜くと、まだ体液に塗れている勃起したままの生のペニスをタツヒコのアヌスにぶち込んだ。
生まれて初めてタツヒコは一人の人間に恐怖を感じた。
〝デザイア〟は激しく腰を動かし、アヌスの奥を突きまくっている。
タツヒコは犯される女の気持ちを実感した。
それは悔しさと、怒りと、切なさと、悲しさがぐちゃぐちゃに入り混じったような感覚だった。
そして、全てがどうでもよくなった。
だんだんと意識が遠くなっていく。
やがて、〝デザイア〟は絶頂し、タツヒコのアヌスの中にザーメンをぶちまけた。
その瞬間、タツヒコも口から泡を吹き意識を失った。
【続く】
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